朝型 vs. 夜型

私は朝よりも夜のほうが仕事に集中しやすいタイプでした。これは、高校生の頃からそうだったと思います。 大学生の頃は、講義が終わるとすぐに図書館へ行き、食堂でご飯を食べ、図書館が閉まる10時まで勉強し、 そこから京都大学・中央図書館に設営された「24時間自習室」へ移動し、だいたい12時くらいまで勉強していました。 そして朝の講義は出られません。出られないので、友達にノートを写させてもらっていました。 本当に、記憶にある限り、一限の講義には数回しか出た記憶がありません。 まあ中間・期末テストや中間・期末レポートが出せればいいので…(出席をとる講義は絶望的)。

このようなスタイルは大学院に進学しても続きました。 自分のデスクを要塞化し、昼に来て深夜に帰る生活を続けていました。 大学院は九大で、しかも箱崎キャンパスという、飲食店のバラエティが凄まじく高い環境に住んでいたので、 深夜にラボを出てご飯を食べて帰る、というのが当たり前でした。 いざとなったらスーパーもあるし、コンビニは当然24時間営業。深夜でもご飯を得るのは、当然ながら簡単でした。

ここで直面するは、夜型生活の第一問題。九大は夜の交流会、いわゆる飲み会が多かったということ。 飲み会はそれ自体が非常に重要な交流の場なので、参加することの恩恵が非常に大きいのです。 これが飲み会に出られない子育て研究者にとってアンフェアなしくみになっているということは残念ですが、現状として、交流会は夜が多いのです。 夜型研究者にとって、これは致命的です。本来であれば、研究作業に充てられた時間が、飲み会に飲まれていくのです。 飲み会しながら論文は書けないし計算もできない。つまり飲み会では研究は進まない。 そして飲み終えた後に集中して作業できるはずもなく、作業時間そのものがなくなってしまうわけです。

私には幸いにも、夜型スタイルを変更せざるを得ないチャンスがありました。国外に住み始めたことです。 初めて一人で住んだ外国地域は、フランスのモンペリエでした。 まず、毎日外食すると破産する! また、スーパーが19時に閉まる! そしてコンビニがない!(なくはないけど、出来合いのものなど売っていません。) そうなると、ご飯を作る必要があります。 そのためには、スーパーに行く必要があります。 そのためには、18時ごろまでにラボを退勤する必要があります。 しかも、フランスのランチ文化は大きい。 毎日一時間以上はランチに費やします。その後はもちろんコーヒー。 そうすると、十分な作業時間を確保するためには、朝から活動せねばなりません。 この事情は、二番目に住んだローザンヌ(スイス)でも同様でした。

ポスドクではカリフォルニアのバークレーに住みました。 ここは治安がよろしくございません。 18時にラボを出るのは少し怖い。 ということで17時過ぎにラボを出ることにしました。 するとスーパーの閉店にも間に合います。 そもそも、海外のキッチンはコンロが非常に豪華です。 3つは当たり前で、私が住んでいたアパートには、4つ、しかもオーブンまでありました。 そりゃ、腕を振るい料理するわけです。 そうなると、生活に否が応でも「リズム」がうまれます。

こうして今でこそ、準朝型のリズムで生きていますが、私はこれは根本的にとても大事なことであると思います。 なぜなら、研究は一人で行なうものではなく、いろいろな人との交流の中で生まれるものだからです。 また、太陽の光に当たる時間と精神衛生の関係性も考えると、 やはり日中に活動したほうが良いかなと個人的には思います。 日中にしか対応できない仕事や、対応してもらえない仕事もあります。周りとの足踏みを揃えることには一定の価値があると言えるでしょう。 もちろん、人によっては、夜に活動したほうが捗る、あるいは気分が優れている、という人もいると思います。このあたりは、私の専門分野でないので、直接的な助言は控えます。 その場合は、医療機関に相談するなど、なるべく日中の活動に支障をきたさないようにされると良いかもしれません。

指導者からすると、やはり日中に顔を出さない学生がいた場合、単純に心配になってしまうと思います(少なくとも海外では、ラボに数日でも顔を出さなかった場合、とても心配されました)。 健康あっての研究ですから、可能な限りは、体調を整えられるような内的動機づけを持てると良いと思います。

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